ゼロからはじめるWEBライティング!ストーリーテリング上達法
はじめに
ストーリーテリングは、WEBライティングにおいて非常に重要なスキルです。単に情報を伝えるだけでなく、読者の感情に訴えかけ、記憶に残る印象的なコンテンツを作り出すためには、ストーリーテリングの技術が不可欠です。(ストーリーテリング自体を知りたい方はコチラの記事をご覧ください)
しかし、多くの初心者ライターにとって、ストーリーテリングは難しいスキルだと感じられているのも事実です。
本記事では、初心者ライターが取り組める5つのストーリーテリングエクササイズを詳しく解説します。これらの練習方法を通じて、ストーリーテリングの基礎を身につけ、自分の書くコンテンツの質を高めていきましょう。エクササイズの具体的な手順や、プロのライターの例を交えながら、実践的なテクニックをお伝えします。
ストーリーテリングは、一朝一夕には身につかないスキルですが、諦めずに練習を重ねることが上達への近道です。本記事を活用して、ストーリーテリングの力であなたのWEBコンテンツをさらに魅力的なものにしていきましょう。
エクササイズ1:6単語ストーリー
6単語ストーリーは、わずか6つの単語を使ってストーリーを作る、シンプルながら効果的な練習方法です。限られた単語数の中で物語を表現することで、言葉の選択力や創造力を鍛えることができます。
6単語ストーリーの手順
- ランダムに6つの単語を選ぶ(名詞、動詞、形容詞などのバランスを意識する)
- 選んだ6つの単語を使って、一つの完結したストーリーを作る
- 必要に応じて、接続詞や助詞など、6つの単語以外の言葉を補う
例えば、「森」「少女」「出会う」「魔法」「冒険」「成長」という6つの単語から、以下のようなストーリーを作ることができます:
「森で迷った少女は、魔法の力を持つ不思議な生き物と出会う。一緒に冒険に出発した少女は、様々な困難を乗り越え、大きく成長していった。」
6単語ストーリーの効果と発展的な練習方法
6単語ストーリーは、短い文章の中に物語の要素を詰め込む練習になるため、簡潔で的確な表現力が身につきます。また、限られた単語で物語を紡ぐことで、創造力や想像力も鍛えられます。
この練習をさらに発展させるには、以下のような方法があります:
- 単語数を増やしたり減らしたりして、難易度を調整する
- 特定のテーマや設定に沿った単語を選び、ストーリーを作る
- 複数の6単語ストーリーを作り、それらをつなげて長編のストーリーを作る
6単語ストーリーを繰り返し練習することで、言葉へのセンスが磨かれ、よりインパクトのあるストーリーが書けるようになるでしょう。
エクササイズ2:キャラクター設定シート
魅力的なキャラクターは、ストーリーテリングに欠かせない要素です。読者が感情移入できる登場人物を作ることで、ストーリーへの没入感が高まります。キャラクター設定シートを使って、登場人物の詳細を掘り下げる練習をしましょう。
キャラクター設定シートの主な要素
- 基本情報(名前、年齢、性別、職業など)
- 外見的特徴(身長、体型、髪の色、服装など)
- 性格・特徴(長所、短所、癖、価値観など)
- バックストーリー(生い立ち、経験、トラウマなど)
- 目標・動機(達成したいこと、行動の理由など)
これらの要素を詳しく設定することで、キャラクターに深みが生まれ、物語の中での行動や選択に説得力が生まれます。
キャラクター設定の例
以下は、主人公の設定例です:
- 名前:鈴木太郎
- 年齢:28歳
- 職業:営業職
- 性格:几帳面、責任感が強い、コミュニケーションが苦手
- バックストーリー:厳しい家庭で育ち、親の期待に応えるため常に頑張ってきた
- 目標:営業成績でトップを取り、親に認めてもらうこと
このようなキャラクター設定を基に、物語を展開していくと、登場人物の行動や心情に説得力が生まれ、読者も感情移入しやすくなります。
キャラクター設定を活用したストーリー創作
キャラクター設定シートを作成したら、そのキャラクターを主人公にしたストーリーを書いてみましょう。設定した性格や目標、バックストーリーを踏まえながら、物語を展開していきます。
例えば、先ほどの鈴木太郎を主人公にしたストーリーは、以下のようになるかもしれません:
「営業成績トップを目指す鈴木太郎は、厳しい上司からの指導に悩まされていた。コミュニケーションが苦手な太郎は、顧客との関係構築に苦戦するが、ある日、自分と似た境遇の先輩と出会う。先輩からアドバイスを受けた太郎は、少しずつ変化していき…」
このように、キャラクターの特徴や背景を踏まえてストーリーを書くことで、登場人物の言動に一貫性が生まれ、読者にとってよりリアルで共感できる物語になります。
エクササイズ3:写真から物語を紡ぐ
写真や絵を見ながらストーリーを創作する練習は、視覚的な情報からインスピレーションを得る力を養うのに効果的です。写真に写っている人物、場所、物などから、背景にある物語を想像し、言葉で表現する練習をしましょう。
写真選びのポイント
ストーリー創作のヒントになるような写真を選ぶことが大切です。以下のような要素を含む写真を選ぶと、ストーリーを膨らませやすくなります:
- 人物の表情や仕草から感情が読み取れる写真
- 場所の雰囲気や特徴が伝わる写真
- 物の配置や状態から背景が想像できる写真
また、一枚の写真だけでなく、複数の写真を組み合わせて使うのも効果的です。写真同士の関連性を考えながら、ストーリーを紡ぐ練習ができます。
写真から物語を創作する手順
- ストーリーのヒントになりそうな写真を選ぶ(人物、風景、物など)
- 写真に写っている要素を詳しく観察する
- 写真の中の人物、場所、物などの関係性を想像する
- 想像したストーリーを言葉にする
写真ストーリーの例
公園のベンチに座る老夫婦の写真を見て、以下のようなストーリーを紡ぐことができます:
「結婚50年を迎えた山田夫婦。二人は毎週日曜日、公園のベンチで過ごすのが日課だ。若い頃から変わらない穏やかな時間。夫は妻の手を握り、二人で人生を振り返る。苦しい時期も、喜ばしい出来事も、すべてを共に歩んできた。今日も、二人の絆を確かめ合うように、言葉少なに語り合うのだった…」
このように、写真に写っている情景から、登場人物の人生や心情を想像し、物語を紡ぎ出すことができます。写真から創作する練習は、日常の中にあるストーリーの種を発見する力を養ってくれるはずです。
エクササイズ4:ストーリーの構成要素を学ぶ
ストーリーには、一定の構成要素があります。これらの構成要素を意識しながら物語を作ることで、より効果的なストーリーテリングができるようになります。ここでは、代表的な2つの構成パターンを紹介します。
起承転結の物語構造
起承転結は、物語の基本的な構成要素です。以下の4つのステップで物語を組み立てていきます:
- 起(キ):物語の導入部。主人公や状況設定を説明する
- 承(ショウ):物語の展開部。主人公が問題や困難に直面する
- 転(テン):物語の転換点。主人公が問題解決のヒントを得る
- 結(ケツ):物語の結末。主人公が問題を解決し、教訓を得る
起承転結の例:
「ITベンチャー企業で働く主人公は、新規プロジェクトのリーダーに抜擢される(起)。しかし、プロジェクトは思うように進まず、トラブルが続発する(承)。そんな中、主人公は社員との対話から、問題解決のヒントを得る(転)。チームで知恵を出し合い、プロジェクトを成功に導いた主人公は、リーダーとしての成長を実感する(結)。」
ヒーローズ・ジャーニーの構成要素
ヒーローズ・ジャーニーは、神話や伝説に見られる英雄の冒険譚を基にした物語構造です。以下の7つのステップで物語が進行します:
- 日常の世界:主人公の日常生活が描かれる
- 冒険の呼び出し:主人公が冒険に誘われる
- 冒険への旅立ち:主人公が冒険の旅に出る
- 試練と仲間:主人公が様々な試練に立ち向かい、仲間を得る
- 最大の試練:主人公が最大の難関に立ち向かう
- 報酬:主人公が試練を乗り越え、報酬を得る
- 帰還:主人公が帰路につき、新たな自分として日常に戻る
ヒーローズ・ジャーニーの例:
「平凡な高校生だった主人公は(日常の世界)、ある日、特殊能力に目覚める(冒険の呼び出し)。能力の謎を解く旅に出た主人公は(冒険への旅立ち)、同じ能力を持つ仲間と出会い、共に戦う(試練と仲間)。最強の敵との戦いで、主人公は窮地に立たされるが(最大の試練)、仲間の力を借りて勝利する(報酬)。平和を取り戻した主人公は、経験を胸に日常へ戻っていく(帰還)。」
これらの構成要素を意識しながら物語を書く練習をすることで、ストーリーの流れがスムーズになり、読者を引き込む力が高まります。自分の書きたい物語に合わせて、構成パターンを使い分けてみるのも良いでしょう。
エクササイズ5:ストーリーテリングプロンプト
ストーリーテリングプロンプトとは、物語のアイデアやヒントとなる短い文章のことです。プロンプトを使って物語を創作する練習は、アイデア出しや発想力を鍛えるのに役立ちます。
プロンプトの例
- 「少年は朝目覚めると、自分が〇〇になっていることに気づいた。」
- 「平凡な日常を送っていた主人公の前に、ある日突然〇〇が現れた。」
- 「主人公は大切な〇〇を失ってしまう。取り戻すために、〇〇へと旅立った。」
プロンプトを使ったストーリー創作の手順
- プロンプトを選ぶ(自作するか、他者の作ったプロンプトを使う)
- プロンプトから連想されるアイデアを出す
- アイデアを膨らませ、物語の骨組みを作る
- プロンプトをストーリーの冒頭に使いながら、物語を書く
プロンプトを使った練習を通じて、様々な状況設定やストーリー展開のアイデアを素早く生み出す力が身につきます。また、他者の
作ったプロンプトを使うことで、自分では思いつかないような発想に触れることができます。
プロンプトを使ったストーリー創作の例
プロンプト:「平凡な日常を送っていた主人公の前に、ある日突然〇〇が現れた。」
ストーリー:
「営業事務として働く杉山香織は、毎日が同じような日々の繰り返しだった。ある日、香織の前に一通の手紙が届く。差出人は、行方不明になっていた父親だった。手紙には、『真実を知りたければ、私の故郷である山奥の村へ来てほしい』とだけ書かれていた。香織は、日常を抜け出し、父の謎を解明する旅に出る…」
このように、プロンプトをストーリーの出発点として使うことで、新しい物語の可能性が広がります。プロンプトから連想されるアイデアを膨らませながら、オリジナリティのある物語を生み出していきましょう。
初心者ライターのための練習のヒント
ストーリーテリングのスキルを上達させるためには、継続的な練習が欠かせません。以下のようなヒントを意識しながら、練習に取り組んでいきましょう。
継続的な練習の重要性
- 毎日少しずつでも、書く習慣を作る
- 自分に合ったペースで、無理なく続けることが大切
創作したストーリーの振り返りとフィードバック
- 書いたストーリーを読み返し、良かった点と改善点を見つける
- 他者からフィードバックをもらい、客観的な意見を取り入れる
他者のストーリーから学ぶ
- 優れたストーリーを読み、構成や表現方法を分析する
- 感動したストーリーを参考に、自分の物語創作に活かす
ストーリーテリングコミュニティへの参加
- ストーリーテリングに関する情報交換や交流ができるコミュニティに参加する
- 同じ目的を持つ仲間と切磋琢磨し、モチベーションを高め合う
これらのヒントを実践し、自分に合った練習方法を見つけることで、ストーリーテリングのスキルは確実に向上していくはずです。楽しみながら、工夫を重ねながら、練習に取り組んでいきましょう。
まとめ
本記事では、初心者ライターがストーリーテリングのスキルを向上させるための5つのエクササイズを紹介しました。
- 6単語ストーリー:限られた単語数で物語を作る練習
- キャラクター設定シート:登場人物の詳細を掘り下げる練習
- 写真から物語を紡ぐ:視覚的な情報からストーリーを創作する練習
- ストーリーの構成要素を学ぶ:起承転結やヒーローズ・ジャーニーを意識した練習
- ストーリーテリングプロンプト:アイデアやヒントを基にストーリーを創作する練習
これらのエクササイズを継続的に行い、自分の書いたストーリーを振り返ることで、ストーリーテリングの基礎力が身につきます。また、他者の優れたストーリーから学ぶことや、フィードバックを受け入れる姿勢も大切です。
ストーリーテリングのスキルは、一朝一夕では身につきませんが、諦めずに練習を重ねることが上達への近道です。自分のペースで、楽しみながら、エクササイズに取り組んでいきましょう。
おわりに
ストーリーテリングは、WEBライターにとって強力な武器となるスキルです。物語の力で読者の心を動かし、記憶に残るコンテンツを生み出すことができます。
本記事で紹介したエクササイズを通じて、ストーリーテリングの基礎を身につけ、自分の書くコンテンツに物語の魔法をかけていってください。最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、練習を重ねるごとに、ストーリーテラーとしての力が高まっていくはずです。
ストーリーテリングの世界には、無限の可能性が広がっています。あなたの書く物語が、多くの読者の心に感動を与え、人生に影響を与えられることを願っています。