ゼロからはじめるWEBライティング!読者を引き込むストーリーテリングのコツ
はじめに
こんにちは、WEBライターのTsubasaです。みなさんは、「ストーリーテリング」という言葉を聞いたことがありますか?ストーリーテリングとは、物語(ストーリー)を語る(テリング)技術のことで、小説や映画などで使われている手法です。
でも、実はこのストーリーテリングの技術は、ブログ記事やWEBコンテンツでも大活躍なんです。読者を引き付け、感情を揺さぶり、記憶に残るコンテンツを生み出すのに、ストーリーテリングほど効果的な方法はありません。
本記事では、WEBライティング初心者のみなさんに向けて、ストーリーテリングのコツをわかりやすく解説します。各セクションでは、ストーリーテリングの要素や技法を詳しく説明し、豊富な事例や図解を交えながら、実践的なテクニックをお伝えしていきます。
ストーリーテリングのスキルを身につけて、読者を魅了するWEBライターを目指しましょう!
ストーリーテリングの基本的な要素
ストーリーテリングに欠かせない3つの要素について、より詳しく見ていきましょう。
1. 共感を呼ぶキャラクター設定
魅力的なキャラクターを作るには、以下のようなステップを踏むことが大切です。
ステップ1:キャラクターの基本情報を設定する
- 名前、年齢、性別、職業など、キャラクターの基本的な情報を決めます。
- 読者が共感しやすいよう、身近な設定を心がけましょう。
ステップ2:キャラクターの性格や特徴を掘り下げる
- キャラクターの長所や短所、癖や好みなどを具体的に設定します。
- 過去の経験や価値観など、キャラクターの背景も考えておくと良いでしょう。
ステップ3:キャラクターの悩みや目標を明確にする
- キャラクターが抱える問題や葛藤を設定し、物語の原動力とします。
- キャラクターが目指す理想の状態を明確にすることで、読者は応援したくなるはずです。
参考情報として、私がいつもお世話になっているさーくん@元シナリオライター様が執筆している記事を紹介します。こちらのブログでは、キャラクターの設定する要素や粒度について大変細かく解説いただいておりますので、読者のみなさんが研究するにあたり、心強い味方になってくれると思います。
ストーリーテリングを活用する場合はキャラクターを掘り下げていくことをおすすめします。
キャラクターの基本情報や性格、悩みや目標を書き出すことで、立体的なキャラクターが生まれます。
2. 感情を揺さぶる伏線の張り方
伏線には大きく分けて3つの種類があり、それぞれ読者に異なる効果をもたらします。
伏線の種類 | 効果 | 具体例 |
---|---|---|
種明かし型 | 物語の後半で明かされる秘密や真相を匂わせることで、読者の興味を引き付ける | “彼は真実を知る由もなかった”という一文で、後の展開を予感させる |
障害予告型 | 主人公が直面することになる困難や障害を暗示することで、読者に緊張感を与える | “明日は大事なプレゼンだ”という台詞で、主人公の直面する問題を示唆する |
成長の兆し型 | 主人公の成長や変化の可能性を示唆することで、読者に期待感を抱かせる | “あの時の言葉を思い出した”という描写で、主人公の心境の変化を予告する |
種明かし型の伏線は、物語の謎解きや驚きの演出に役立ちます。障害予告型の伏線は、物語にスリルや緊迫感を加えます。成長の兆し型の伏線は、主人公の内面の変化を予感させ、読者に感情移入させる効果があります。
物語の展開に合わせて、これらの伏線を効果的に張ることが、読者を引き付けるストーリーテリングのコツと言えるでしょう。
3. 記憶に残る結末の作り方
印象的な結末を作るには、以下の2点がポイントです。
- 物語の主題を凝縮する
- 読者の感情に訴える
物語の主題を凝縮するとは、物語全体を通して伝えたかったメッセージを、ラストシーンに集約することです。
例えば、「挑戦することの大切さ」がテーマの物語なら、最後に主人公が新しい挑戦に踏み出すシーンを描くことで、テーマを印象付けられます。
また、結末では読者の感情に強く訴えかけることが重要です。
喜び、感動、驚き、安堵など、読者の心を揺さぶる感情を引き出すことを意識しましょう。
例えば、主人公の願いが叶うハッピーエンドなら、読者に喜びと満足感を与えられます。
一方、悲しみや切なさが残る結末なら、読者に深い余韻を残すことができるでしょう。
結末では、物語のテーマを凝縮し、読者の感情に訴えかけることを忘れずに。
WEBライティングへのストーリーテリングの応用
ストーリーテリングをWEBライティングに活かす方法を、具体的な事例を交えながら詳しく見ていきましょう。
ブログ記事でのストーリーテリングの活用法
ブログ記事にストーリー性を持たせる方法を、もう少し掘り下げて説明します。
個人的な経験談を交えるコツ:
- 読者が共感できる体験を選ぶ
- 体験談の詳細を具体的に描写する
- 体験から学んだ教訓をわかりやすく伝える
事例:
「初めての海外旅行で言葉の壁にぶつかった体験談」
→言葉が通じないもどかしさ、助けてくれた現地の人との交流、コミュニケーションの大切さを学んだ経緯などを、臨場感たっぷりに描写します。
疑似体験型の記事の作成方法:
- 読者視点で物語を設計する
- 感情移入しやすい展開を考える
- 疑似体験から得られる学びを明示する
事例:
「もしあなたがプロのシェフになったら?一日の仕事に密着」
→読者が主人公となって、プロのシェフの一日を追体験。料理の裏側や厨房での努力を疑似体験し、プロ根性を学ぶ内容になります。
商品紹介記事でのストーリーテリングの応用
商品紹介記事でストーリーテリングを活用するために、押さえるべきポイントをもう少し詳しく見てみましょう。
商品開発秘話の探り方:
- 商品の開発者や関係者にインタビューする(過去のインタビュー記事を探す)
- 商品開発の裏側にあるエピソードを引き出す
- 開発者の想いや苦労を掘り下げる
事例:
「〇〇社の新商品は、社員の一言がきっかけで生まれた」
→社員の何気ない一言から商品開発がスタートし、試行錯誤の末に完成したまでの舞台裏を描きます。
ユーザーの実体験を引き出すコツ:
- 商品を実際に使ったユーザーの声を集める
- 商品の魅力や効果を実感したエピソードを探す
- ユーザーの喜びや満足感を具体的に描写する
事例:
「〇〇のおかげで、毎日の家事が楽しくなった主婦の声」
→商品を使う前と後での主婦の心境の変化、家族との時間が増えた喜びなど、ユーザーの実体験を通して商品の価値を伝えます。
ブランドストーリーの伝え方
ブランドストーリーを効果的に伝えるために、以下の点に留意しましょう。
ブランドの歴史や想いを引き出すコツ:
- ブランドの誕生秘話や転機に注目する
- 創業者や関係者の想いを掘り下げる
- ブランドのDNAや価値観を明確にする
事例:
「〇〇ブランドは、創業者の一人の問いかけから始まった」
→ブランド誕生のきっかけとなった創業者の問いかけ、その想いを受け継ぐ社員たちの努力、ブランドの根底にある価値観などを物語として描きます。
読者の共感を呼ぶストーリーの要素:
- 読者の悩みや願望と重なるブランドの想い
- 読者の日常に寄り添うブランドの姿勢
- 読者の人生を豊かにするブランドの価値提供
事例:
「〇〇ブランドは、お客様の笑顔のためにある」
→ブランドが大切にしてきた想いや姿勢が、読者の日常とどう結びついているのか、読者の人生にどのような価値を提供できるのかを、具体的なエピソードを交えて伝えます。
ストーリー性のある記事の構成例
ストーリー性のある記事の構成パターンを、図解を交えてより詳しく見ていきます。
起承転結の物語構造を適用した記事の例
起承転結の4要素を、以下のような図で表現できます。
起(導入)で問題提起し、承(展開)で物語を動かし、転(転換)で解決の糸口を見出し、結(結論)でメッセージを伝える。
記事の事例では、以下のように起承転結を適用しています。
(起)問題提起:在宅ワークで思うように稼げない主婦の悩み
(承)物語の展開:スキルアップのために奮闘する主婦の姿
(転)転換点:在宅ワークの基本を学び、収入アップのきっかけをつかむ
(結)結論:適切なスキルアップが在宅ワークで成功するカギであるという教訓
ヒーロー ジャーニー型の記事構成の例
ヒーロー ジャーニーの12のステージを、以下の図で簡潔に表現しました。
日常の世界から冒険の世界へ、試練と成長を経て、新たな自分として日常に戻ってくる主人公の旅。
記事の事例では、ヒーロー ジャーニーの要素を以下のように取り入れています。
(日常の世界)英語が苦手で留学を諦めていた大学生
(冒険の呼び出し)留学経験のある先輩との出会い
(冒険の始まり)先輩からの助言を受け、英語の勉強を決意
(試練と成長)リスニングや単語習得の難関に立ち向かう
(英雄の帰還)TOEICで高得点を取り、夢の留学を実現
(新たな日常)留学で得た経験を後輩に伝える日々
ストーリーテリングのライティングTips
ストーリーテリングを記事に活かすための実践的なライティングテクニックを、もう少し深掘りしていきます。
登場人物の心情描写のコツ
登場人物の感情を表現する際は、以下のような手法を使うと効果的です。
- 心理描写:登場人物の内面の動きを言葉で表現する
- 「彼は不安でたまらなかった」「彼女は喜びに胸が震えた」など
- 心情の変化:登場人物の感情の変化を場面ごとに描写する
- 「最初は怖気づいていたが、徐々に自信がついてきた」など
- 感情表現の動詞:喜怒哀楽を表す多彩な動詞を使い分ける
- 「喜ぶ」「怒る」「悲しむ」「驚く」など、より具体的な動詞を選ぶ
事例:
「彼は合格発表を前に、胸の高鳴りを抑えられなかった。合格の二文字を見た瞬間、彼の心は安堵と喜びに包まれた。」
→「高鳴る」「安堵する」など、心情を表現する動詞を効果的に使っています。
五感を使った描写の方法
五感に訴える表現を使うことで、読者はより物語世界に没入できます。
- 視覚:色、形、動き、明暗などを描写する
- 「真っ赤に染まった夕焼け空」「ゆらゆらと揺れる木々の影」など
- 聴覚:音の種類、大きさ、リズム、距離感などを表現する
- 「耳をつんざくような電車の音」「遠くから聞こえる子供の笑い声」など
- 触覚:温度、質感、圧力などを言葉で表す
- 「ざらざらとした砂の感触」「頬に伝わる冷たい雨粒」など
- 嗅覚:匂いの種類、強さ、印象などを描写する
- 「甘い花の香り」「燻製の香ばしい匂い」など
- 味覚:味の種類、濃淡、食感などを表現する
- 「口の中に広がる苦みと酸味」「とろけるようなチョコレートの甘さ」など
事例: 「彼女が部屋に入ると、コーヒーの香ばしい香りが鼻をくすぐった。窓の外では、にわか雨が軽やかなリズムを奏でている。カウチに座ると、柔らかな感触に思わずため息が漏れた。」 →嗅覚、聴覚、触覚を巧みに使った描写で、リアルな場面描写になっています。
比喩表現の効果的な使い方
比喩表現を適切に使うことで、抽象的な概念や感情を読者に伝えやすくなります。
- 直喩:「〜のよう」「〜みたい」などを使って、似ているものに例える
- 「彼の笑顔は太陽のように明るかった」など
- 隠喩:共通点を持つ別のものに置き換えて表現する
- 「人生は旅のようなものだ」など
- 擬人法:物事に人間の特徴を持たせて表現する
- 「風は木々の間で踊っている」など
事例: 「彼女の心は氷のように冷たくなっていた。かつて情熱の炎を燃やしていた日々は、まるで遠い夢のようだ。」 →「氷のように冷たい」(直喩)、「情熱の炎」(隠喩)など、比喩表現で心情を巧みに表現しています。
まとめ
- ストーリーテリングの3要素(キャラクター、伏線、結末)を意識することが、読者を引き付ける物語作りのポイント
- ブログ記事、商品紹介、ブランドストーリーなど、様々なWEBコンテンツにストーリーテリングは応用できる
- 起承転結やヒーロー ジャーニーなどの物語構造を理解し、記事に適用することが効果的
- 心情描写、五感表現、比喩表現などのライティングテクニックを使いこなすことが、ストーリー性を高めるカギ
以上、ストーリーテリングを記事に活かすためのポイントを詳しく解説してきました。
ストーリーテリングのスキルは一朝一夕には身につきませんが、このガイドを参考に、一歩ずつ実践を重ねていけば、きっと読者を引き付ける記事が書けるようになるはずです。
(以下の記事では練習方法を紹介してますのでよければご覧ください)
まずは身近なところから、ストーリー性を意識して文章を書いてみましょう。日々の積み重ねが、やがて大きな力になります。
(文章の執筆で悩まれる方はコチラをご覧ください)
おわりに
本記事で紹介したテクニックを活用し、ストーリーテリングに挑戦してみてください。あなたの記事に、ストーリーの魔法をかけられますように。
読者を感動させ、心に残る記事を生み出せるよう、これからもライティングスキルを磨いていきましょう。 WEBの世界に、あなたならではのストーリーを紡ぎ出してください。応援しています!